広告相談室①
購買ポテンシャル層へのアプローチ法は?

食品業界の課題、特に広告宣伝・販促領域における「あるある」の悩みに対して、クックパッドではどんなソリューションを提案できるのか、課題ごとの考察をお伝えしていきます。今回は、部内きってのカステラ好き、松橋さんに相談してみました。
今回取材したメンバー
マーケティングソリューション部
セールス
松橋 葉月さん


新卒で総合広告代理店に入社。その後、食への関心からクックパッドへ。食べるのは大好き、作るのは嫌いという自身の経験を活かし、ユーザーの負の解消に寄り添うコミュニケーションに従事。家では小鳥を2羽飼育。

”相談内容:購買ポテンシャル層にアプローチしたい”

【実現したいこと】
・ポテンシャルのある新規顧客へのアプローチと購買促進

【ターゲット】
・商品の特徴にマッチし、きちんと訴求すれば新たに購入いただけそうな生活者

【課題】
・ポテンシャルのある顧客ターゲットを適切に抽出することが難しい
・従来施策との効果の比較や検証

”ポテンシャルの高い層に届けるためには”

自社商品をより多くの方に買っていただく、使っていただくためのプランニングには、大まかに下記3つのフローで考える必要があります。

①「この商品はどんな方の課題を解決するか=どんな方に使っていただくとよいか」を考える
②それに向けた適切なメッセージやコミュニケーションを組み立てる
③ターゲットがより多く存在していて、効果的にアプローチできる場所や手法でメッセージを訴求する


その中でも、③の具体的なアプローチ方法、特に「ターゲットセグメントの選定」は、料理や食の領域においては非常に難しい部分があります。

なぜなら、食における生活者のニーズは複雑で、一概に年齢や性別などの属性で区別ができず、適切なセグメントに対する具体的なアウトプットがしづらいからです。

インターネット広告であればセグメントの設定は容易に可能ですが、設定したセグメントが正しかったかどうか、商品認知や実売への貢献の効果検証も同時に設計する必要があります。

”クックパッドなら属性セグメントではなく
「食の志向性」でのセグメントが可能”

インターネット広告の良さは、何と言ってもセグメントできるところです。
ネットワーク広告をはじめとして、性別年代などの属性や検索者、過去購入者にもアプローチすることができますし、SNS広告では、ライフステージや卒業大学などで区分してバナーを当てることができます。

ただ食品の場合は、他の商材以上に“食の志向性”が購買を大きく動かすことがあります。健康意識が強かったり、時短意識が強かったり、子どものいるファミリー層であったりなど。なかでも、“Wantの食の志向性”でセグメントしてバナーを配信できるという点がクックパッドの大きな強みといえます。

普段どんなものを食べているのか、どのような調理器具を好むのか、どのような調理の課題を持っているのかなどは、性別年代である程度の傾向があるかもしれませんが、食や調理のニーズはもっと複雑で、一概に属性で区別することはできないと考えています。“食の志向性”という視点でのターゲティングの絞り込みによって、より効果的なクリエイティブやキャッチコピーを使ったバナー配信が可能になってきます。

”どんな手法で?どんな広告メニュー?”

今回のような課題に対してターゲティング配信をする場合は実施方法として2つあります。順番にご紹介していきます。
A)オリジナルターゲティングバナー

1つ目は、配信広告をクリックしたユーザーと同じような食のニーズを持つユーザーを抽出し、その抽出されたユーザーのみをターゲティングして広告配信することができる「オリジナルターゲティングバナー」です。

まず最初に、クックパッドのインナーページ(第二階層以下)にディスプレイ広告を配信します。この時は、対象ページを訪れた広告表示対象の全ユーザーに広告が配信されます。
この配信終了後に、配信バナーをクリックしたユーザー(=バナー広告に興味を持ったユーザー)と同様の検索行動をしているユーザーをあらたにセグメント抽出し、抽出された対象者へさらに配信していきます。

この時のバナー配信では、抽出されたユーザーセグメントのみに広告を配信しますので、興味を持つ可能性が非常に高いと予想されるユーザーのみをターゲティングすることができます。商品との親和性が高いと思われる層へオリジナルバナーを配信をすることができるわけです。
またこの施策では、バナーをクリックしたユーザーが普段クックパッド内でどのような検索行動をとっているかのデータ分析が可能です。この分析によって商品のターゲット層とクリックしたユーザーのペルソナが合致しているのかどうかをチェックすることができるので、狙いたい層にアプローチできているのかの検証にも役立ちます。
(B)ターゲティングバナー

2つ目は、あるキーワードをよく検索しているユーザー、さらにそうしたユーザーと同様の検索行動をしているユーザーのセグメントを作成し、そのユーザーセグメントのみに配信するターゲティングバナーです。

まず、配信する広告と親和性の高いキーワードを選んでいただきます。そのキーワードをよく検索しているユーザーと、そうしたユーザーと同様の検索行動をしているユーザーだけをセグメントし、ターゲティング配信をおこないます。

クックパッドには、年間約12万語程度のキーワードが検索されており、12万通りのセグメント配信をすることができます。性別年代などの属性ではなく、食や調理の嗜好性でセグメントし、拡張配信ができるのはレシピサイトであるクックパッドならではの配信手法です。

”広告効果をどのように測定するのか?”

バナー広告施策の結果は、CTR(クリック率)が主な指標として見られがちですが、今回の実施目的に対して、CTRだけでは効果測定として不十分だと考えます。

今回のように、購買の潜在層へアプローチする場合、「実施した施策によってユーザーの態度変容が起きたのかどうか」までを分析することで、課題に対してのゼロサムではない効果を測定できます。それらを実現するために、クックパッドでは広告事後調査の実施をおすすめしています。

調査内容を設計し、広告に接触したユーザーと広告に接触しなかったユーザーを区別し、それぞれの広告認知、商品に関する印象、購買意向の変化などをしっかりと見ていきます。例えば、商品に対する印象がプラスに転じているのか、またそれはどのように変化したものなのか、どのような理由によるものなのか等を可視化していきます。

比較的高額な商品や購入頻度があまり高くない商品は、ブランドへの信用度が購入時の決め手となり得るため、ブランドへの好意度や印象が広告によって向上したのかどうかは、効果測定において重要指標の1つであると考えています。

また、ユーザーセグメント毎に広告接触者の購買意向の変化を見ることで、どのセグメントが最も購買に近いポテンシャル層なのかを検証することができます。こうした検証によって、次回以降の広告施策をおこなう際に、購買ポテンシャル層のみに集中的にアプローチする施策の検討も可能になります。

ご紹介したような施策でクックパッドから誘導したユーザーは、広告バナーをクリック後、遷移先の企業ブランドサイト内においても、他メディアと比較して回遊率の高さや滞在時間の長さといった点で、明確に良かったというお話をいただいています。

商品とのマッチ度や親和性の高いユーザーをセグメントすることで、企業ブランドサイトへの誘導後もユーザーアクションに高い効果が発揮されているといえます。

このように、広告実施後の調査結果や自社サイト内でのユーザーアクションで、しっかりと効果を確認いただき、施策を単発的に実施するのでなくデータを活かして継続的におこなうことが重要だと考えています。

クックパッドでは、コンサルティング営業・プランナー・ディレクター・データアナリストなどのスペシャリストがチームを組み、企業の課題に対してご提案をおこなっています。お問い合わせや初回提案はもちろん無料ですので、ぜひお気軽にお声がけください。


writing support:Mariko Kuranaka

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